酸洗いの種類とその特徴
金属の酸洗いは、その目的に応じて大きく3つに分類できます。ひとつは、強度のサビや酸化被膜の除去を主な目的とした酸洗いで、メッキ加工の直前に行われる最も一般的な酸洗いです。通常は、金属を酸性溶液に浸すことで金属表面の酸化物を除去します。また、ここで用いる酸性溶液中には金属の溶解を防ぐ、または酸化物の除去効率を向上させるといった作用を持つ添加剤が加えられます。ふたつめは、酸浸漬と呼ばれる処理で、電解洗浄やアルカリ脱脂液を用いた洗浄によって生じた酸化被膜やアルカリ被膜を取り除き、金属表面の活性を向上させることを目的としています。もうひとつは、エッチングと呼ばれる処理で、常温での加工処理によって生じた変質層の除去を目的としています。